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【ヒロアカ】白は黒になるが黒は白にはならない

第23章 ただいま





「。」


黒霧に呼ばれて振り返ると弔くんと黒霧が並んで立っていた。いつのまに部屋には弔くんと黒霧、私だけだった。

『ん、なあに。黒霧。』

3人の時間なんて久々すぎて自分でも驚くくらい弾んだ声が出た。連合のメンバーが集まるまでは何年もこうして3人でいたのに。なんだか昔に戻ったみたいで嬉しくなった。


「────」



今度は弔くんが私の名前を呼び両手を広げた。



その行動に訝しげに弔くんを見る。







「おかえり」







その言葉を聞いた瞬間、身体は勝手に動いていて弔くんと黒霧に抱きついた。



『ただいま。弔くん、黒霧!』

大好きな弔くんと黒霧の匂いを思い切り吸い込む。やっぱりここが1番落ち着く。私の居場所はここでいいの。

一瞬イレイザーヘッドを殺しかけた時の邪魔になった感情がチラついたような気がして抑え込むようにして何度も弔くんと黒霧の匂いを吸い込んだ。


「。あなたがご無事で何よりです。」

そう言って黒霧の大きな手が私の頭を撫でてくれた。

『ん......ありがと、黒霧。』

「本当は、お前が帰ってきたらすぐにでも抱いてやろうと思ったが今日はお前も寝ろ。疲れてんだろ。」

『え...』

そういえば合宿前に続きは帰ってきたら、なんて言われてたっけ。

「何だよ、その顔。今すぐ抱いてほしいってか?」

『な、ちがッ...!』

「死柄木弔、あまりを虐めてはいけませんよ」

黒霧はいつもこうやって決まり文句のように揶揄う弔くんから私を守ってくれる。

『フフッ、黒霧いつもありがとう。2人ともおやすみ』




2人に片手を振り自室へ進んでいった。
部屋に入ると倒れるようにしてベットに雪崩れ込んだ。

この3日間での出来事を振り返ろうとしたができそうになかった。視界が、思考が、だんだんと
黒に塗りつぶされていき闇の中へと引き摺り込まれそうになる。

お風呂にも入らなきゃいけないのに、明日でいいかな、と思っていた。




人というものは、行動すべき時に限って、億劫がるのかもしれない。




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