第23章 ただいま
『トガちゃん?』
「イヒッ!弔くんに怒られてる、圧紘くん、ちゃん、荼毘くんの写真でーすッ」
『ぷ......ふッ......』
トガちゃんに見せられた携帯の画面には、正座のミスター、三角座りの私と、不貞腐れた顔で胡座をかく荼毘。そしてバーチェアに座りに私たちを見下ろす弔くんが写っていた。
世間を脅かすヴィラン連合、自分達のそんな写真につい吹き出してしまった。
「おい、笑うな。俺は今説教中なんだ」
「ハ...素直に言えよ。ここ数日、自分だけがコイツに触れられなかったのが悔しいって」
「説教中じゃなくてお前さんは嫉妬中、なんだっての」
「.....ッ、うるせ」
嫉妬...?弔くんも会えなくて寂しいって少しは思ってくれてたって事なのかな、なんて自惚れそうになる。
いつのまにか立場が逆転し、荼毘とミスターに揶揄われる弔くんを見てアジト内に笑いが響いた。
それをきっかけに、というわけではないが私も立ち上がりミスターの方を見て口を開いた。
『ねえミスター、かっちゃんは?』
「もちろんここにいるよ。ホラ。」
人差し指と親指の間に挟まれた水色のビー玉。中は見えないがどうやらそこにかっちゃんが圧縮されているらしい。
『弔くん、かっちゃん出さないの?』
「あぁ。お前らも疲れてんだろ。今日はゆっくり休め。本格的に動くのは明日からだ。」
弔くんのその言葉を最後に、お風呂に入るもの、各自の部屋で過ごすもの、今日はそれで解散することになった。