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【ヒロアカ】白は黒になるが黒は白にはならない

第23章 ただいま



───合図から5分が経ちましたよ

さっきの黒霧の言葉を思い出す。黒霧がミスターの無線を聞いていたのだから弔くんも聞いてるはずか。自分で納得した。

「あ!」

私が言葉を詰まらせているとトガちゃんが何かを思い出したかのように大きな声を出した。

「おいトガ、今大事な話してるんだ静かにしてくれ」

これのどこが大事な話なんだろうか、と心の中で弔くんにツッコミをいれた。

「それを言うならぁ、圧紘くんも木の上で下着姿のちゃんとチウチウしてるところ私見ましたッ!」

「はっ!?ッ、トガちゃん!?」

『え...』

急に自分に話を振られたことに驚き、ソファに預けていた身体を勢いよく起こすミスター。

「おいおい、マジかよミスター。」

不敵な笑みでミスターを見つめる荼毘。

「あ?おい。コンプレスもそこに座れ」

「はぁ!?俺が1番爆豪クン誘拐に貢献したと思うんですケド!?そこはスルー!?」

「コンプレス」

「へーへー。」

喉の奥から出されたような圧のある弔くんの声に、ミスターも仕方なく荼毘とは反対の私の隣に正座をして座った。

「お前ら、言い訳はあるか。」

カウンターに肘をつき、ミスター、私、荼毘と順番に赤い双眼に睨まれる。

「さっきも言ったが、俺は見逃せよリーダー。誘ってきたのはコイツなんだ」

確かにそういう感じにしたのは私だけどさ...。
先程からやたらと誘ってきたを強調する荼毘。

『誘ってきた、って何度も何度も同じこと言わないでよ』

「ハハ、それを言うなら俺も。最初に服を脱いだのはちゃんだぜ?おじさんはただちゃんの洋服を届けにきただけだっての。それに──」

両サイドは完全に私のせいにしたいようだ。色々と私も言いたいことはあったが、林間合宿の疲れもあり言い返す気力はなかった。

「下着姿のちゃんを前にしてキスだけで我慢してやったんだ、褒めてほしいくらいだぜ。お前ら2人なら喰っちまうところだろうが。」

「「確かに。」」

どこか得意げな顔で言うミスターに、ニヤニヤと笑いながら口を合わせる弔くんと荼毘。

私の両サイドで好き勝手に飛び交う言葉を目を細めながら聞いていると横から連続したシャッター音のようなものが聞こえてきた。

トガちゃんが自分の携帯をこちらを向けて何やら写真を撮っている。
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