第23章 ただいま
ワープゲートを潜り抜ければそこは3日ぶりのいつものアジトだった。
『あー!!疲れたぁ!!』
仮面を取り外し、ソファに四肢をだらんと投げ出して仰向けになって叫んだ。
「ちゃんお疲れ様。ちゃんのタイミング、バッチリすぎてアタシびっくりしちゃったわ〜」
「ボロボロの出久くんかっこよかったのですッ」
「俺の方がカッコいいぜ!いやブサイクだろ!」
「荼毘もちゃんも、おじさんが必死にヒーロー候補生から逃げてる時に呑気に楽しんじゃって。おい死柄木───」
肩をそびやかせ大袈裟に両手を広げて言うミスター。
「あぁ。わかってる───」
わかってる?なにが?
それまで黙ってたカウンターに座っていた弔くんが、バーチェアをくるりと回転させて私たちの方を見た。
「おい、に荼毘。そこに直れ。」
「ハ、なんで」
『弔くん?』
弔くんがそこ、と指差すのは自分の目の前の床。座れという事だろうか。
仕方なくバーチェアに座る弔くんの前の床に座った。
『ほら、荼毘も』
私がそういえば、ソファに深く腰掛けていた荼毘が億劫そうに立ち上がりこちらへ来た。
「だりィ」
三角座りになった私の隣で、太々しく胡座をかいた膝の上で頬杖をつく荼毘。
「任務の途中で男にヨガってる悪い子は誰だろうなあ?ちゃんよぉ。」
「あぁ。その事なら俺も被害者だ。先に誘ってきたのはコイツだぜ?」
『なっ......』
まるで自分は無関係だというようにニヤニヤと笑いながら顎で私を指す荼毘。自分だって通信中もなかなか止めてくれなかったじゃん......。
聞かれてたんだ。まさか弔くんにも聞かれていたなんて。