第22章 林間合宿 3日目※
「1人でーすッ!」
「1人ぃ!?最低3人はって言われてなかったか?いや1人で十分だろ!よくやったトガちゃん!」
『麗日さんの?』
「そうなのですッ!」
さっきトガちゃんが言ってたのはこのことか。
両手を自分の頬に当てて心の底から嬉しそうに言うトガちゃん。
『あ、ねえ。それよりミスターを探しに行こ?無線が切れる直前に何かにぶつかるような音が聞こえた気がするんだよね。なんか嫌な予感する。』
ふと荼毘が空を見上げた。
「......俺らが探しに行く必要は無ェみたいだぜ」
『...え、どういう、』
「うおぉぉぉぉ!!!!!」
荼毘の言葉の意味を聞こうとしたところで突然頭上から聞こえてきた男の人の叫び声。
上空を見上げればミスターがこちらに飛んできた。
けれど様子がおかしい。ミスターの背中に誰かが張り付いてる。
目を凝らして見る。
だれ?2人、いや3人いる。
認識するより前にミスターが大きな衝撃音とともに地面に叩きつけられて土埃が舞った。
「かっちゃんと常闇くんを返せ!!!」
晴れない土埃の中から聞こえてきた声に尾骶骨がピン、となり背筋をゾクゾクとなにかが走るような感覚に陥った。
まずい。デクくんだ。
咄嗟に身体から仮面を取り出して付ける。
「ミスター、避けろ」
「...ッ、ラジャ」
荼毘の放った蒼炎により土埃が晴れていく。それと同時に姿が露になるデクくん、轟くん、障子くんの姿。
荼毘の蒼炎を躱し、3人が分散されたところでトゥワイスが轟くん、トガちゃんがデクくん、障子くんに奇襲をかけた。
その隙に、大きく地面が抉れたところへ走った。そこにはビー玉が1つ転がっていて。
ミスターが荼毘の蒼炎を回避できたのは、自分で自分を圧縮したからなのだとそれを見て気づいた。
抉られた地面に立つ私と荼毘の前で、すぐにそのビー玉はミスターの姿に変わった。
「いってて....飛んで追ってくるとは発想が飛んでる...ッ...」
『ミスター、大丈夫?』
「ターゲットは?」
「チョット2人ともさっきのアレはどーゆー事か説明しなさいっての...て、あれ...」
呆れたように笑いながら自分のポケットを探るミスター。
「緑谷、轟、逃げるぞ───」
突然、障子くんが2人に叫ぶ声が聞こえた。