第22章 林間合宿 3日目※
トガちゃんとイレイザーヘッドをおいてひたすら森を走った。
あぁ、そういえばショッピングモールの帰りに血あげたんだっけ。
走りながら私はトガちゃんと一緒に初めてショッピングした日の帰りを思い出していた。
トガちゃんは大丈夫だろうか。私の姿のままでイレイザーヘッドとやり合う事はないと思うけど。
『はぁ......』
ここまで来れば大丈夫だろうと足を止めた。意味もわからないため息が出た。
木の幹を背にして、力が抜けたようにずるずるとしゃがみ込んだ。
付けていた仮面を取ろうとするがなかなか外れない。自分の手が震えているせいだ、と気づくのには時間がかかった。
自分の指が情けないくらいに震えているのに気づき、余計に震えた。
おかしいな。逃げてこれたのに何で怯えてるんだろう。
自分を叱咤しようとするが小刻みに震えた身体は全く止まらない。
震える身体を抱きしめるようにして、抱えた自分の膝に顔を埋めた。
膝にはまだ先ほどのイレイザーヘッドの首の感触が残っている。
殺そうと思えば殺せたはずなのにできなかった、しなかった。
ああそうか、と気づく
私は自覚してる以上に脆いんだ