第22章 林間合宿 3日目※
「やっほー、ちゃん。」
施設に近づき移動してたとしたところを後ろから声をかけられた。
『あ!ミスター!』
ミスターと会うのも久々に感じる。
久々と言っても2日振りなんだけど。でもやっぱり連合の仲間に会えるのは嬉しくて口元が綻ぶ。
「例のモン、持ってきたよ」
『ありがとう、さすがミスター。早くて助かる。』
例のモン。昨日ミスターに頼んでおいた洋服のことだ。
木の上から目線は施設の方へやり、ミスターの事は気にもせず個性で洋服を吸収させて下着姿になった。
「...っっ!」
『ん、洋服ちょーだい、ミスター』
手だけをミスターの方へ伸ばし、施設を見つめる。
荼毘の分身が来るとか言ってたけど、まだなのかな。
『.....ミスター?』
伸ばした手に洋服が一向に渡されないのを不審に思い、後ろにいるミスターを振り返る。
「ハハ、ちゃんここで、その格好はやべーって。おじさんも男よ?」
『いや、でも今は1分1秒も無駄にしたくないというか....あ、でもごめんね、いきなりこんな姿見せて...だからその、洋服を...』
「いくら大事な任務でも、こんな可愛いちゃんの姿見ちまったら悪ィけど俺も止まんねーんだわ」
そう言いながら何故か仮面を外し、シルクハットと目出し帽も取り素顔になるミスター。
ミスターの行動を不思議に思うもののポケットから水色のビー玉を取り出したのでありがとう、と言いソレを受け取ろうとするがそのビー玉はなぜかミスターの口の中へ放り込まれてしまった。
『は....ちょっと、な、にしてるのミスター...』
ミスターの理解不能な行動に思考が止まってしまう。
「なにって?コレが欲しいんだろ?だったら俺から奪ってみなよ」
『なっ.....!!』
いつも紳士に振る舞うミスターの、ちょっと強引な口調に不覚にもドクンと鼓動を打った。
意地悪く困ったように笑いながら、舌を出すとその舌の上には私の服が圧縮されてるであろうビー玉が乗っている。
『もう....ミスター!こんなことしてる場合じゃ...ッ』
ビー玉を取ろうと恐る恐る手を伸ばすが、すぐにその手はミスターにより掴まれてしまった。
「おーっと。手は使っちゃダーメ。その可愛いお口で。」
ね?と私の顔を覗き込みながら言うミスター。