第22章 林間合宿 3日目※
「ケロ、ちゃん、あなた今とっても怖い顔してるわよ。大丈夫かしら?」
「ちゃんもお化け苦手なん......?ウチも怖い......。でもデクくんと一緒なら大丈夫やな!」
『ん、大丈夫だよ。』
連合のみんなに合図するタイミングを考えていると、蛙水さんに心配そうに顔をのぞき込まれた。
大丈夫。肝試しよりもっともっと怖いことがこれから起きるよ、と心の中で呟きながら出発する蛙水さんと麗日さんの背中を見送った。
1組目が出発してからだいぶ時間が経った。まだ1組目は戻ってきていない。今スタート地点に残っているのは、3組で尾白くん、峰田くん、委員長、口田くん、デクくんと、私。
「あぁ......じゅ、順番が近づくにつれて緊張してくるね...ッ。さん、だだだ大丈夫?」
『大丈夫だよ』
大丈夫かと私に聞いてくるわりには歯をガタガタ震わせているデクくん。
そろそろかな。
どんどんと気持ちが昂る。緩みそうな口に必死に力を入れて平常心を保つ。
『デクくん、私自分の順番の前にお手洗い行っておきたいから施設戻るね』
「あ、うん!暗いけど大丈夫?僕も着いて行こうか?」
『へーきだよ。すぐ戻ってくるから。』
出来るだけこの場から離れないと。
私は肝試しで使われている広場から離れてひたすら走った。
『ここでいいかな......』
広場から離れて、施設の灯りがぼんやりと目視できる場所まで来た私は近くの木の上に登り身体から通信機を取り出し耳につける。
ふぅ、と一息ついてから通信ボタンをピッと押した。
『みんな、お待たせ。』