第21章 林間合宿 2日目
『その中から、動きやすそうなもの選んで明日持ってきて欲しいの.........出来れば、首元は隠れそうなやつ......。』
「お、そのキスマーク早速、生徒に見られちまったんだ?そりゃあ、大変だ。」
大変だ、というわりにはそう思ってなさそうなミスターの楽しそうな声と、ごそごそと漁るような音。施設の方を気にしながらもミスターにこれまでの愚痴をこぼした。
『イレイザーヘッドにも見られて大変だったよ...』
下着姿見られたし、キスマークも見られたし...
「へぇ......ちゃんこーんなエロい下着とか履いちゃうの?おじさん、こっちの白も好きだけど、この黒のレースも好きだなぁ」
通信機から聞こえてくるミスターの声。噛み合わない会話に一瞬呆然としてしまう。けれどそれがすぐに自分の下着のことを言っているのだと分かると、耳まで赤くなるのが分かった。
『...っ!!もう、ミスター!!』
「ハハ、ゴメンって。スポーツウェアっぽいのあるけどそれでいい?これなら首元も隠せると思うよ。」
『....もうそれでいいから。......じゃあ、明日よろしくね?』
「任せなさいっての。おやすみちゃん。」
ミスターのその言葉を最後に通信を切り、そのまま通信機は身体に吸収させた。
たった1日振りだというのに連合の誰かと話せたことにすっかり気が緩んでしまった私は、身体も目線もしっかり施設の方を気にかけていたのにこちらをジッと睨んでいる双眸に全く気づかなかった。