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【ヒロアカ】白は黒になるが黒は白にはならない

第21章 林間合宿 2日目




お風呂も済ませて、寝支度を整える。芦戸さんは補習があるのでお風呂に入った後にすぐに別室に移動していった。

お風呂に入りながら、今日も荼毘が来るのかと構えてしまったがさすがに2日連続では来なかった。


「みんな、明日も頑張ろうねぇ」


葉隠さんが電気を消し、今にも眠ってしまいそうな声でそう言うとぽつぽつと返ってくるおやすみ、の声。


けれど私はまだ寝れない。


ようやくみんなが寝静まった頃、布団から身体を起こして静かに立ち上がった。時計の針を見ればちょうど日付が変わったくらいを指している。

芦戸さんがまだ戻っていない。こんな時間まで補習やっているのか?と疑問にも思うが、こちらも早く連合のみんなに報告しなくてはいけない。

部屋を出て、みんなが起きないようにゆっくり戸を閉めた。




施設の玄関先に行き、音を立てないよう鍵を開けて外に出た。

『わ、綺麗....』

外に出ると星空が広がっていた。雲がちらほらあるが街灯もないこの森の中では星がはっきり見えてとても綺麗だった。

けれど夜中の森の中は暗くて何も見えない。
施設の灯りがぎりぎり届く木の陰に隠れるようにして、念のため誰が来てもすぐ分かるように身体は施設の方に向け、私はミスターから渡された通信機を身体の中から取り出して耳に付けて、通信ボタンを押し、小声で喋りかけた。

『ねえ、誰か起きてる?聞こえたら返事してほしい。』

お願い、誰でもいいから出て...ッ...

「お、こんな時間に珍しい。どうしたのよちゃん。」

1日振りに聞くその声につい口元が綻んだ。

『ミスター!!今アジト?トガちゃんいる?』

「アジトにいるよ。俺以外寝ちゃってる。どした?」

本当はトガちゃんに頼みたかったけど仕方ない。弔くんと荼毘よりはマシか...。

『報告と、頼みたいことがあるの。まず報告から。プロヒーローは全部で6人。プッシーキャッツ、イレイザーヘッドとブラドキング。今回オールマイトはいないみたい──』

施設の方へ目を向け、誰もいないか確認しながら言葉を続けた。

『そんで、プッシーキャッツの中にラグドールっていうヒーローがいるんだけど、明日、まずその女を倒してほしいかも。個性が厄介なの。私とは合わないから。』

「ラグドール、ね。了解。一応死柄木にも伝えておくよ。で頼みたい事ってのは?」

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