第21章 林間合宿 2日目
その場に倒れる尾白くん。
「いってて......のパワーやばすぎるだろ......」
「だろ!?俺ら漢も負けてらんねぇぜ!!!もういっちょ頼む!!」
倒れた尾白くんの手を引き、立たせてあげる切島くん。こんなのがあと何時間続くのだろうと思いながらも、3人でひたすら訓練に励んだ。
陽も完全に出てきた頃、B組の生徒たちもぞろぞろと姿を見せた。なんで同じヒーロー科なのに活動時間が違うのだろうと疑問に感じたが、その疑問は1人のプロヒーローの姿を見て一瞬で消えていく。
瞬時に頭に入ってきた情報が、警鐘を鳴らす。
『あ....。』
硬化した切島くんへの攻撃をピタリと止めB組がいる方向ジッと見る。
「ん?どした?」
切島くんの心配そうな声が聞こえた気がしたが、今の私にはそんな事気にしていられない。
B組の側にはマンダレイ、ピクシーボブと今日初めて見る知らない顔が2人いた。1人は体格のいい男で同じように猫の格好をしている。
そしてもう1人、黄色い衣装で緑色の髪の長い女。
個性、サーチ......居場所、弱点、バレる......
頭に入ってくる情報をぶつ切りの言葉で心の中で繰り返した。
あぁ、やだ。あの人の個性、私とは合わない。早く連合のみんなに報告して消してもらわないと。
「おい、!」
『あっ....』
「大丈夫か?ぼーっとしてたみたいだけど。体調悪い?」
『ごめんね、大丈夫。さ、続きしよっか。』
「おう!!そうこなくっちゃ!!」
切島くんの大きな声と、心配そうに顔を覗き込む尾白くんが見えて我に返った。
とりあえず、周りを見ただけでもここにはプロヒーローが6人もいる。その目を盗んで連合の誰かに報告....は難しいか。
早くても夜、生徒が寝た後にでも報告しなきゃ。