第20章 林間合宿 1日目※
脱衣所で服を脱ぎ、風呂場に入る。
頭と身体を洗ってから露天風呂の方へ向かった。
露天風呂へ続く戸をカラカラと音を立てて横に引くと、ひんやりとした冷気がまだ温かい俺の身体を一瞬で覆い尽くした。
床には黒い石畳が敷かれていて、歩くたびにピタ、ピタと音を立てる。
湯気が立ち込める岩風呂に足を入れ肩まで浸かる。湯口から流れる出る湯の音やどこからか聞こえてくる虫の鳴き声が心地いい。
明日からは生徒らの訓練に、夜は補習組の勉強も見てやらないといけない。それに備えるようにして、今この瞬間だけは身体と心をしっかり休めようとゆっくり目を閉じた時だった。
カランカランカランカラン───
突然鳴り響いた金属音のような音に目を開け、聞こえてきた方へ視線をやる。
そっちは女風呂だ。
プッシーキャッツの2人は、生徒らの夜飯が終わった後すぐに自分らの事務所に戻っていったから2人がいるのは考えにくい...。
生徒の入浴時間はとっくに過ぎてるはずだが......。誰かいるのか?
「おい、誰かいるのか」
俺は恐る恐る声をかけた。