第20章 林間合宿 1日目※
「待て。俺じゃねぇ。アイツがそう言ったのか?」
「ええっとぉ、イレイザーヘッドに付けられた、だっけ?」
「違うよー三奈ちゃん。ちゃんはイレイザーヘッドにやられた、って言ってたんだよー!.........多分。」
チッ。
曖昧な情報で俺を疑うコイツらにため息が出る。実は俺も見てびっくりした、とは口が裂けても言えず、目の前であーでもない、こーでもないと言い合う2人を見る。
「とにかく、俺じゃねぇ。教師が生徒にそんな事するわけ....ねぇだろ。」
自分の口から発したその言葉はまるで俺自身に言い聞かせてるものにも感じた。
「なーんだ。じゃあアタシたちの聞き間違いだったのかなぁ。」
「でも、そうだよねぇ。先生と生徒がそんなことしたら大変なことになっちゃうもんねぇ。」
「この話はもう終わりだ。さっさと寝ろ。」
「はーい!せんせー、疑ってごめんねぇ!」
「相澤先生おやすみなさいッ!」
そう言いながら、俺の横を通り過ぎていった芦戸と葉隠。
風呂場に行く足を進める。
結局はアイツらの勘違いだったもののがそういう発言をしたって事は変わりねぇ。
のやつ、何を考えてやがる。
「そういえば遅くなーい?まだお風呂かなぁ?」
の理解不能な発言で頭がいっぱいになっていた俺は背後で葉隠に質問する芦戸の声など全く届いてなかった。