第20章 林間合宿 1日目※
夕食を済ませて部屋に戻り、荷物の整理をして一段落したところで葉隠さんが楽しそう声を上げた。
「荷物も整理したし、みんなでお風呂に行こうよー!!」
1週間、衣食住を共にするのだからせめてお風呂くらいは1人で入りたかった。
『私は』
「はい!もいくよー!」
1人で入る、そう言おうとした矢先、芦戸さんの言葉で遮られてしまった。
結局強引に手を引かれ脱衣所まで連れてこられた。
ここまで来て部屋に戻るのも気が引けるので渋々一緒に入ることにする。
「アタシ、明日から訓練の後補習だって〜みんなと夜は女子トークしたいよぉ」
「女子トークって......ウチらも疲れてすぐ寝ちゃうよ」
そう言えば女の子と一緒にお風呂入るのなんて初めてかも、芦戸さんと耳郎さんの会話を聞きながらそう思った。
着ていたジャージに手をかけ服を脱いでいき下着姿になったところで芦戸さんの耳を劈くような声が響いた。
「あーー!!!!!」
「芦戸さんッそんなに大きな声を出したらびっくりしますわッ!」
「三奈ちゃんどしたん?」
芦戸さんが口を大きく開けたまま私を指差す。当然他の女の子たちもつられて私を一斉に見る。いくら女の子とはいえ複数の人からまじまじ見られるのは恥ずかしくて、胸の前でタオルを持ち身体を隠した。けれど、みんなの視線は隠した私の胸元じゃなくて首元を見てる気がして首を傾げた。
『な、なに?』
「わー!ちゃん大胆ッ!」
なぜかぴょんぴょんする葉隠さん
「ケロケロ.........」
「わ、わ、わわわたくし達にはまだ早いですわよッ!」
顔を赤らめる八百万さん、蛙水さん
「、男いたんだ?」
ニヤニヤと耳のプラグを弄りながら聞いてくる耳郎さん
「ちゃん愛されてるんやなぁ」
ほわほわと笑う麗日さん
「〜詳しく聞かせなよ〜」
黒目をギラギラ光らせて頬をつついてくる芦戸さん
次から次へ言葉を投げてくる女の子たちに頭が追いつかない。
『ねえ待って......!!本当に分からないのッ...何のこと?』
「気づいてないの?」
耳郎さんに向かって首を縦に振ると芦戸さんに背中をグイグイと押される。
「はーい、そんなには自分の目で確認してもらいましょー!!!」