第20章 林間合宿 1日目※
『っ...せんせ.....おいて...いかない.....で...』
「.....。」
夢か?先生?
......たしかコイツが初めて雄英に来て、オールマイトさんに自己紹介した時も先生が、先生が、と言葉を詰まらせていた。
先生って誰のことなんだ....?
「おい、起きろ」
これ以上はさすがにと思い、の肩を揺らし起こした。
『ん....ッ.....ぁ......』
短く艶のある声を漏らし、艶かしく捩らせる身体。瞼が持ち上がり茶色の瞳と目が合った。数回ゆっくり瞬きを繰り返し虚な目を俺に向けている。コイツの動きがいちいち俺を唆る。
『...んん...ぁ...イレイザー、ヘッド...ふふ...』
おいおい、寝ぼけてんのか?
仰向けになっていた身体をころんと俺の方へ、横向きになった。その体勢では更に胸の谷間が強調され、しまいには俺の名前を呼びふにゃりと笑うその姿にゴクリと喉を鳴らした。
そのまま再び瞼を下ろそうとする。
自分でも驚くくらいの低く掠れた声だった。
「.....おい、このまま本当に襲うぞ」
『ひっ!?ぇ...ゃ...なんで...ッ...』
俺の声に驚いたのか勢いよく上体を起こした。掛け布団を胸の前に当てて隠しているつもりだろうが、もう遅いだろ。自分の姿と俺を見るなり顔を真っ赤にさせた。
『な、なんで...イレイザーヘッド....いるの...」
「何度も外から声を掛けたが、一向に返事が無いからな。心配で戸を開けたらこのザマだ。直に他の生徒らが戻る。その後すぐ夕飯だ。着替えたら外に来い」
目が覚めた下着姿のコイツに何もせず正面で話せるほど俺は出来た人間じゃない。に背を向けて、そのまま部屋を出た。
「...クソ...なんでいつもこうなるんだ......」
完全にその気になってしまった自身をどうしようかと考えながら1度自室へ戻った。