第20章 林間合宿 1日目※
他の生徒たちはもう着いたのかな。
途中荼毘とミスターに会っちゃったし...。時間で言えばそれほど長くは立ち止まってないと思うけど...。
委員長とかっちゃんに、あんな威勢のいい事言っておいて私の方が遅かったら、それ見ろと言われるに決まってる。
急がなきゃ。
宿泊先の方向へひたすら走る。
目的地に近づくにつれて、魔獣の数も減り脆くなってきていたので倒しやすく意外にも早く施設に着いた。
白い建物の屋根には肉球のようなマークが付いている。施設自体は大きくもなく、小さすぎるわけでもなくA組B組と教師らが滞在するには十分な大きさだった。
「おー!早かったにゃん!お昼ご飯間に合ったねぇ!キティいっちばーん!!」
ぴょんぴょんと跳ねながら私に叫んでいるのは水色の衣装をきたピクシーボブ。
「キミ、なかなかやるじゃーん。時間もほぼ、ピッタリ3時間で着いたし素質あるよ〜」
満遍の笑みを浮かばせて言うのは赤い衣装のマンダレイ。
「、他の生徒らはどうした」
抑揚のない声でイレイザーヘッドが聞いてきた。
「1人の方が動きやすいと思ったので、みんなとは別行動で。」
「そうか。バスから自分の荷物下ろしとけ。他の生徒が戻るまでは施設内で自由に過ごしてろ。昼飯は食堂に用意してある。必要なら食べていけ。」
「はーい。」
〜〜〜~~~~~~〜
指示された女子部屋に自分の荷物運ぶ。すでに部屋には7人分のお布団が敷かれていた。荷物を半ば投げ捨てるようにして置き、制服を全て脱ぎ、ハンガーにかける。
もうお昼ご飯はいいや......
疲れた.....
まだ合宿始まったばかりなのに...
着替える気にもなれずに、下着姿のまま私は布団の上に寝そべった。他の生徒もまだ来る気配ないしこのままでいいよね。
あぁ、お風呂には入りたい...。ここに来るまでにたくさん動いたし...。
眠気を感じた。目を長く閉じると頭の回転がだんだんと鈍くなり、重々しい眠気に押しつぶされ始める。
動け私の身体...お風呂...、と辛うじて働いてる脳に言い聞かせた。が、湿った畳の匂いを感じながらどうやら私は意識を失っていたようだ。