第20章 林間合宿 1日目※
ワープゲートを抜けた先は森の中。
高く伸び複雑に絡み合う木の枝は、太陽の日差しをほとんど遮り昼前だというのに薄暗い。それにやけに泥臭ぇ。
おいおい、ほんとにこんな所で合宿なんてやってんのか?最近の若い子は野生人か何かか?
そんな事を考えながらしばらく彷徨ってると、遠くで連続した爆発音や衝撃音が聞こえてくる。原因を確かめるべく音のする方へ飛び回った。
木の間を転々と移動する中、1人...いや2人の影を見つけた。荼毘とちゃんだ。
気づいていたのか俺を見るなり口の端を吊り上げた荼毘。
仮面越しに目が合った。
荼毘にそういう事されてるっていうのは、背中にいる荼毘と木の間に挟まれたちゃんの蕩けきった顔を見て一目瞭然だ。
あーあ。そんな可愛い顔しちゃって。
完全に快楽でいっぱいのちゃんはどうやら俺には気づいてない様子。
荼毘もちゃんを弄る手を動かしたままなので、止めるつもりはねェみたいだ。
ハイハイ、そっちがそのつもりなら俺はここから見てるとするさ。
木の上に座り、足を組んだ膝の上で頬杖をついた。
覗きなんて趣味じゃあねぇが今は可愛く悶えるちゃんから俺はもう目が離せねぇ。
「あー、お前のイイトコロ、どこだったっけなァ?」
自分の指をちゃんの口に突っ込み、わざとらしく言う荼毘。一見それはちゃんに言ってるようにも聞こえるが、俺には、ちゃんは自分のものだと主張するようにも聞こえてくる。
『いッ....!..ぁ...!!ッ...んんん...!!』
首筋に顔を埋めた荼毘に噛みつかたのか顔を歪ませたちゃん。けどその顔は一瞬で消え、悲鳴じみた嬌声をあげて身体を震わせ、恍惚とした表情に変わっていった。
その途端にちゃんの身体から、小刀や顔隠し用の仮面が出てきた。
ちゃんが個性複数持ちでその1つが身体に物をストックできる個性、というのは聞いていた。が、なぜ今落ちてきた?それになぜ2人は見向きもしない?
さもそれが当然であるかのような2人の振る舞いに違和感を覚えた。
「......いい加減出てこいよ。こそこそ盗み見なんて趣味が悪ぃなァ?」
思考を巡らせていると聞こえてきた荼毘の声。