第20章 林間合宿 1日目※
荼毘side
雄英のガキ共の下見も兼ねての様子を見に、少し早いが1人でアジトを出ることにした。
いつも大体時間ギリギリで動く俺の不自然な行動に死柄木とミスターには白い目で見られたが。
無視だ無視。
黒霧さんのワープゲートを潜ると林間合宿の場所にはすぐ着いた。が、広すぎねェか?
つか、ただの森じゃねェか。見渡す限り木、木、木。
しばらく森を彷徨ってると、どこからともなく風に乗って土の匂いと地響きのようなものが聞こえてきた。
音のする方へ向かうと、土の匂いがどんどん強くなる。方向は合ってるみたいだ。
ふと足を止める。木と木の間で小さく動く影を見つけた。そこにはいつもが着てるブレザーとおんなじものを着た奴らがでっけェバケモンと戦ってた。
もちろんもいた。
そして懐かしい顔もあった。
奴らにバレねェところで様子を伺う。
他のガキどもがバケモンと戦ってる中は木の側でジッと傍観していた。
が何かを言って動いた。声までは聞こえねェが、メガネのガキと今回の襲撃のターゲットのガキとで言い合っているように見えた。
つか、なんだあれ。アイツ学校じゃいつもあんな無愛想なのか?アジトにいる時とは別人じゃねェか。
ハ...生意気に澄まし顔しやがって。
のそんな姿につい鼻から抜けるような笑いが溢れた。
「おいックソ!!待てやこの小豆女ァァ!!!」
に向かって怒鳴り散らすその声だけは辛うじて聞き取れた。なんだよ、小豆女って。
ガキ共とは別行動するのか、ひとり一目散に駆け出した。俺が言えた事じゃねェがコイツには協調性というものはないのか?
まぁ、今はそっちの方が好都合だが。