第18章 期末試験※
それから私達は大きな講堂へ移動し、
一学期の終業式が行われた。
講堂に移動する途中すれ違った、おそらく上級生だろうか知らない人たちに
「あ!昨日イレセンにお姫様抱っこされてた子だー!」
「よ!お姫様〜」
なんて声を掛けられたがこの時、さっぱり何のことか分からなかった私はそのまま無視をした。
「、今の2年の先輩だよ。よく無視できたね......え、てか、相澤先生にお姫様抱っこされたの!?」
隣で歩いていた耳郎さんが私に耳打ちしてきたが
『人違いだと思う。』
とだけ答えた。
終業式は、一学期の振り返りも含め校長先生の長い話が続いた。
最近ヴィランが活性化してる、だとか長期の外出は控えろ、だとか入学式からUSJ襲撃事件、体育祭、職場体験、保須事件、期末テスト、これら全ての出来事はキミ達を強くしてくれる糧になる、とつらつらと話した。
当然、ヴィランであり、雄英に潜入して日の浅い私にはそんな言葉たちは全く響かず、強いて言うなら、ヴィラン活性化やUSJ襲撃事件というワードにいちいち反応させるくらいだった。
ひとまず一学期の学校生活、とやらは終わり帰路に着く。
『あっ......』
アジトに帰る途中、私は2つの出来事が同時に頭をよぎり声が漏れた。
1つは先ほど上級生から言われた言葉。
もう1つは昨日のイレイザーヘッドの、俺が運んだ、という言葉。
すぐにそれがイコールで結びつき、顔に熱が集まるのを感じた。
このままの顔でアジトに帰ったらまたなにか言われる、熱が引くまでゆっくり帰ろう、そう思った。