第4章 作戦
『弔くん、なにか策はあるの?』
とあるビルの屋上に、死柄木、黒霧はいた。
遥か遠くにそびえ立つガラス張りに建てられた雄英高校を嘱目している死柄木にが訊く。
「平和の象徴が高校で教師をやるってんだ。間違いなくマスコミが学校に張り付く。そこをつく。」
『弔くんあったまいいね〜』
はぐーっと大きく腕を伸ばし背を反らし伸びをする。
『弔くん、黒霧、手合わせしてよ』
「ここで、ですか?」
「負けるとわかってる勝負を受けるほど俺は馬鹿じゃない」
は先生の一件があってからめきめきと力を付けていた。
個性だけでなく体術にも磨きをかけたはもはや黒霧と死柄木では相手にはならなかったのだ。
『うぅ...黒霧ぃ、あそぼーよぉ』
黒霧を揺さぶりながら上目遣いで訴える
「申し訳ありません。私ではあなたの練習相手にもなりません...」
「あぁ、もうそろそろドクターから例のものが届く。ソレならお前の相手くらいにはなんじゃね?黒霧、ワープ。」
そういえば、と何かを思い出したかのように言う死柄木。
『えぇ!弔くん私の為に何か用意してくれたの?嬉しい!』
「お前の為じゃない、対No.1ヒーロー用だ」
そのまま黒霧のワープで着いたのは、いつものアジトだった。
いつものというには、何か違和感を感じたは部屋の中を見渡すと、バーカウンターの前に三角座りしてる得体の知れないものに目を凝らす。
『ひっ!!な、にこれ?弔くん...』
「ドクターと先生が作った改造人間、脳無っていうらしい」
『改造人間?これが?』
むき出しになった脳みそらしき器官、5本ある手足の指、人間だったといえばそうなのだろう。
なんでもいいから戦わせてくれと言わんばかりにはストレッチを始めた。
『でもこの脳無ちゃん動かないね?』
おーいと言いながら、人差し指で脳無の頭部をつんつんする
「こいつは俺の指示で動くように作られてるらしい。...脳無立て」
死柄木が命令するとゆっくりと脳無が立ち上がった。
本当に命令以外の行動はなくただ突っ立っているだけの脳無。