第18章 期末試験※
死柄木side
昨日は全然眠れなかった、原因は分かってる。の帰りがいつもより遅かったからだ。いや、それだけなら別にいいんだ。あいつは男の匂いをチラつかせて帰ってきやがった。
あの匂いを纏ってくるのは2回目だ。
前に俺がヒーロー殺しにブッ刺されたあと、に手当てしてもらった時とおんなじ匂いだった。
あの時は.......確か、そう。
イレイザーって言ってた。
チッ...
またイレイザーかよ。
荼毘やコンプレスも隙あらばアイツにちょっかいを出してるみてぇだが、そこまで苛立ちはない。まぁ、気に食わねェが。
学校でなにしてんだか知らねェが、その事が不快でしょうがねェ...
カウンターで座りながら考えてると、後ろに気配を感じた。他のメンバーは林間合宿襲撃ん時の足りねぇメンバー集めに行ってるから、今このアジトにいるのはと俺だけだ。
『弔くんおはよ』
「...あぁ。試験の結果今日分かんのか」
の顔も見ずに聞いた。
『一応そのはず。そういえば林間合宿で誰を攫うの?』
「爆豪、勝己……」
今ここで他の男の名前を出すのは癪だが、任務の為だから不承不承ながら答えた。
『え、かっちゃん?』
「あ?」
『っっ!』
コイツの口から出てきた名前に、鋭い目で睨むと分かりやすく固まる
ただでさえ昨日の、イレイザーの匂いだけでもイラついてるのに連合じゃない男の名前、しかも親しげにあだ名で呼ぶコイツに今まで感じたことのないモヤモヤした感情が沸々と込み上げてくる。
『無理だと思うけど。かっちゃんを連合に誘うなんて』
再び出されたその名前に俺の中の何かが
プツンと切れた。
かっちゃ、かっちゃ......
うるせぇなァ
「別に仲間にならなくてもいいんだ......。攫ったっていう事実さえあればそれでいい。それより──」
『ん......ッ...』
イスを回転させの方に向け、手を伸ばしコイツの唇をなぞる。
「やけに爆豪を庇うんだなぁ......?」
イレイザーに続いて次は爆豪か......?