第18章 期末試験※
相澤side
試験のあと、に制服を取りに来るようにと言った。
放課後、俺は職員室で待つつもりだったが飯田に用事を思い出してそのままの制服を持って教室で待つ事にした。
飯田との用を済ませ、しばらくすると勢いよく教室のドアが開いた。
走ってきたのか、相当俺を探していたのかドアの向こうに立つは少し息が上がっていた。
ん?若干顔色が悪いか?
「お、悪りぃな。教室に用があったんで、そのままこっちに来た」
『はッ......本当ですよ。何往復......させるんですかッ』
「これが、新しいブレザーとワイシャツな。」
嫌味を言われた気がするがお構いなしに制服を渡す。
『これは捨てちゃいけないんですか?』
ブレザーのボタンに手をかけながらが聞いてきた。
「あぁ、ここのUSJ事件知ってるか?」
一瞬眉を顰め、ボタンを外す手を止める
『.....ッ...聞いたことがあります。』
「それ以降、防犯にはうるさくてな。処分したはずの制服がどこぞの悪い奴らの手に渡り、成りすまし、なんて事もなくはないからな。なので制服はこちらで責任を持って処分する事になってる」
『ふふ....脱いだばかりの.....制服を先生が持ってるなんてなんか、変な感じ...ですね...?』
滅多に笑わないコイツが、ふにゃりと笑いそんな事を言うもんだから一瞬自分の耳を疑ったがどうやら俺の耳は正常らしい。
いや、様子がおかしい。
だんだん目が虚ろになっていき、心許ない足元。
「....あ、....おい.....ッ.....!!」
コイツがよろめいた瞬間にすぐに抱き止めて、俺の腕の中に収める。息はある。横抱きにして急いでばーさんのいる保健室へ走った。
「軽っ....」
こんな華奢な身体でよくもまぁ、あんなパワーが出る。
大したモンだ。
保健室へ行く途中、まだ残っていた生徒ら、おそらく2、3年の生徒に
「イレセンがお姫様抱っこしてるー!」
「王子様、顔がこえーぞー!!」
「Wow!?チョーーーーー 大胆イレイザー!!」
なんて野次が飛んできたが無視。
チッ
マイクまで....うるせぇ。こっちは急いでんだ。
保健室のドアを片足で乱暴に開けて、リカバリーガールへ託した。