第18章 期末試験※
「お、悪りぃな。教室に用があったんで、そのままこっちに来た」
片手を少し上げ呑気にこちらを見ている。
『はッ......本当ですよ。何往復......させるんですかッ』
「これが、新しいブレザーとワイシャツな。」
嫌味をたっぷりと吐き出したつもりだがレイザーヘッドは意に介さない。
ブレザーのボタンを外しながらイレイザーヘッドを見る。
『これは捨てちゃいけないんですか?』
「あぁ、ここのUSJは事件知ってるか?」
あまりに突然そんなことを言われて、ついボタンを外してた手を止め、イレイザーベッドから出される次の言葉に身構える。
『......ッ...聞いたことがあります。』
あまり下手なことは言ってはいけないと思いそれだけ返した。
「それ以降、防犯にはうるさくてな。処分したはずの制服がどこぞの悪い奴らの手に渡り、成りすまし、なんて事もなくはないからな。如何なる理由があれど、こちらで責任を持って処分する。」
随分厳しいんだな......
防犯に徹底しているわりには、ヒーローの卵に化けたヴィランが
雄英に潜入しているのはいかがなものかと我ながら思う。
ワイシャツ......どこで脱ごうと考えながら、イレイザーベッドから新しいブレザーを受け取り、着ていたものを渡す。
『ふふ....脱いだばかりの......制服を先生が持ってるなんてなんか、変な感じ...ですね...?』
眠さのせいなのか、頭がだんだんぼんやりしてくる。
イレイザーヘッドが2人に見えてくる......
頭がうまく回らない、そのせいかイレイザーヘッドに変なこと言ってしまったような...気がす......る...
「......あ、......おい......ッ......!!」
この後のことはよく覚えていない。
つまり、私の意識はここでプツリと切れた。