第18章 期末試験※
モニタールームに入るとすでに、デクくんと麗日さんがいた。
「あ、ちゃん。ちゃんは、1人で相澤先生を相手にしたんやろ?ほんとすごいわぁ。」
『んー、錘があったからね。』
麗日さんに返事をしながらモニターに目をやる。
既に1組目の戦闘が始まっていて切島くん、砂藤くんがセメントス相手に苦戦しているようだった。
コンクリートを無限に操れるセメントスに対して、持久戦が苦手な2人。相性最悪じゃん......
『これは、厳しそうだ』
「ちゃんどういうこと?」
麗日さんが、大きな目をさらに大きくして私に聞いてきた。
『多分、切島くんと砂藤くんにはセメントスは相性最悪。』
「ほほお、アンタいい目をしてるね。そうさ、これは生徒に対して不利な教師をわざと当ててるんだよ。自分の弱点を克服する為の試験でもあるのさ。」
モニター前の椅子に座り、対戦を見ている年老いた女のひと。
初めて見た。この人も雄英の人?個性は癒し、治癒系だ。珍しいな。
「自分の......弱点......」
デクくんがゆっくり鸚鵡返しする。
そこでブザーが鳴り、切島くん佐藤くんペアが失格になったとアナウンスが入った。
こんなもんか......
そして、10組の試合を見て、いろいろな瞬間を見た。
高い壁に阻まれた人、自分の無力さを知った人、弱点を克服した人、ヒーローに必要なものを教えられた人
悲喜こもごもの中、
長かった期末試験は終了した。