第18章 期末試験※
「おい......」
特にする事も無くなったので、他の生徒と教師らの対戦を観察しようとモニタールームへ移動している途中に後ろから声を掛けられた。
振り返るとそこには、ズボンのポケットに手を突っ込み立っているイレイザーヘッド。相変わらず顔に生気がない。
『なんでしょう』
「いつ取りに来る」
......はい?何のこと?主語を言いなさいよ、主語を。
『何のこと?』
ぶっきらぼうに言うイレイザーヘッド対してこちらも苛立ちをあらわにしてしまう。
「制服だ。」
『あ.........いや、取りに行ったんですけど......』
しまった......すっかり忘れていた。
実は取りに行ったんですけど、中から林間合宿の場所が聞こえてきちゃってそのまま帰りました、なんて言えない。
「その様子じゃあ忘れていたって感じだな。現物と交換だ。今日放課後必ず取りに来い」
「はい...」
持ってきてくれてもいいじゃん、と思ったがそんな図々しい事も言えずに通り過ぎるイレイザーヘッドの背中を見送った。