第17章 ヴィラン連合とおべんきょう※微
......あ、俺の顔見るの初めてだっけ?
つか、そんなに見ることか?
「......ん?ちゃんどしたの?」
足を組んだ膝の上に頬杖をついて前のめりになりちゃんを見つめる。
『ぁ......いや...ミスターの顔......初めて...見たなって......』
熱い視線を俺に向けながらも途切れ途切れに言葉を発するその姿に個性で圧縮して閉じ込めてしまいたいとさえ思った。
自分が今どんな顔で俺を見てるか分かってる?
「ちゃんこそ、そーんなに見つめられたらおじさんこそ恥ずかしいよ......?」
『カッコいいよ、ミスター......』
「っ......」
チッ......
あんまり大人を揶揄うなよ。
『ん......美味しい!ミスター、このケーキ本当に美味しい!』
自分が言った事に恥ずかしくなったのか誤魔化すようにケーキを口にするちゃん。
でももう遅いから。
「......へぇ............じゃあ───」
俺は立ち上がり、ちゃんの隣に腰掛けた。
「あーん.........」
目を瞑り、口を開けてケーキが運ばれるのを待つ。
お前さんにこれが出来るか?
まぁ出来なくても、無理やりにでもやらせるんだけどね?
しばらく何も動きが無かったが、だんだん甘い匂いが近づいてきた。ケーキが運ばれているのだと感じたところで、聞き慣れた心地の良い音が鳴り響く。
カランコロン......
「ちゃん、いますかぁ?」
ドアの方から聞こえてきたのはトガちゃんの声。薄らと目を開くと、急いで自分の口に入れたのか、ちゃんの口がもぐもぐと動いていた。
「へぇ.........」
「ちゃんいましたッ!あ、圧紘くんも一緒ですッ!」
トガちゃんに続き後ろからトゥワイスもやって来て、こりゃあ騒がしくなるなと思った。