第17章 ヴィラン連合とおべんきょう※微
Mr.コンプレス side
敵連合に雄英のスパイをやっている女の子がいるとは聞いていたが、まさかこーんなに可愛い子とは思わなかった。
「です。」
死柄木に手招きされ、彼女は自分の名を言った。
仮面をしてる事を良い事に彼女を、頭のてっぺんから足の先まで舐めまわすように見た。
小豆色の絹のような綺麗な長い髪の毛、ぱっちりした二重目に、色白の肌によく映えた薄桃の形のいい唇。最近のJ Kは発育がいいのか、制服の上からでも分かると胸の膨らみに自然と目がいってしまう。
俺、トゥワイス、マグネ、スピナーが順に挨拶をし各々が自分の時間を過ごした。
カウンターでは俺の右隣に荼毘、死柄木と並び酒を飲んでいた。
すると、トガちゃんたちと話していたちゃんがやってきた。
『弔くんだけいいなぁ。ケーキ!ずるい!』
座っている死柄木の横に立ち、子供のように目をキラキラさせながら言うちゃん。
「コンプレスが買ってきてくれたんだ。」
一口くらいあげりゃあいいのに、黙々と食べる死柄木。
「ちゃん、ゴメンネ?死柄木に挨拶のつもりで買ったんだけどおじさん、連合にこーんな可愛い子がいると思わなくて......今度美味しいの買ってくるから許して?」
『やったぁ!!ミスターありがとう!あ、でも弔くん、いちご残すならちょーだい?』
俺に向けられた笑顔は一瞬で、すぐにその可愛い顔は死柄木の方へ。
弔くん、弔くん.........ねぇ......
バーチェアの向きを変え2人のやりとりを眺める。
「ばーか。好きなモンは最後まで残しておくんだ」
『じゃあさ、こうしようよ弔くん。私今日雄英ですんごい情報手に入れちゃったんだよね。』
死柄木に駆け引きを持ちかけるちゃん。無言で彼女の表情を窺う。彼女は唇をゆるく持ち上げたまま、微笑を続けていた。
すでに勝利を確信している、という表情だ。
死柄木とちゃんのやりとりを、我が子を見守るかのように黒霧さんも、グラスを拭きながらじっと見ている。
死柄木とは幼少の頃から一緒で、2人を親代わりで育ててきたのが黒霧だ、と言っていたのは俺にここを紹介してくれた大物ブローカー義蘭だ。