第17章 ヴィラン連合とおべんきょう※微
「お、いたいた。ちゃん今日も頑張ってるね」
ヒラヒラと手を振りながらこちらに近づいてくるミスター。
『あ、ミスター。任務だったの?』
仮面の柄がこの前とは違う......。色んな模様があるのかな。
テーブルを挟んで正面に座ったミスターを観察しながら聞いた。
「いや、この前の.........ね?」
そう言って目の前に出された白い箱。ミスターが開けるとそこには色々な種類の美味しそうなケーキが4個ほど入っていた。
『わぁ......!!美味しそう!』
「ちゃん、お勉強頑張ってるし好きなもの食べなさいよ。余ったらトガちゃんとかトゥワイスあたりが食べてくれるでしょ」
どれ食べたい?と私に聞きながらお皿とフォークをサッと用意してくれるミスター。まさに紳士って感じ。
『えー、どうしようかなぁ。ミスターはどれ食べたい?』
「俺はいいのよ。ちゃんの好きなもの食べなさいっての。」
『ふふッ。ありがとうミスター。じゃあ......このショートケーキ頂こうかな。』
「はい、どーぞ」
教材をまとめてテーブルの隅に寄せ、お皿の上に出されたショートケーキにフォークを刺す。
刺したケーキを口まで運ぼうとしたところで手の動きが止まる。
『......』
「......」
すごい、見られてる......気がする。
仮面をつけてるから目線がどこに向けられてるのか分からないけど、でも身体も顔もこっち向いてるし...食べずらいなぁ。
『......ミスター.........なに...?』
フォークをお皿の上に置きミスターに言う。
「んー?なにが?」
『そんなに見られたら恥ずかしくて食べれないよ...』
「ハハ......悪ぃ悪ぃ......ちゃん可愛いからつい虐めたくなっちゃうのよおじさん。」
『もう......!』
ほら、クリーム溶けちゃうよ?と言いながら仮面を外しシルクハットを取るミスター。目出し帽に手をかけ、顎から頬、目とどんどん、露わになっていくミスターの素顔。
その一連の流れに、今度こそ食べようとフォークを持つ手が再び止まってしまう。