第17章 ヴィラン連合とおべんきょう※微
『自慢じゃないけど、わたし赤点取る自信しかない。さすが超難関校。実技以外はちんぷんかんぷん。』
「でもさぁ、ちゃん。赤点取ったからって、林間合宿参加させないとは言ってなかったんでしょ?」
『あ......確かに.....』
ミスターの言葉はその通りだった。イレイザーヘッドは、補習地獄と言っただけで林間合宿に参加させないとは言ってない。
「どっちにしろ、赤点取らないに越したこたぁない。、俺が勉強教えてやる、苦手教科見せてみろ。」
ええ......。弔くんが?
とそこまで出かけた言葉をなんとか飲み込み、弔くんの厚意を素直に受け入れ、カバンから自習でもらったプリントを取り出してカウンターに広げ弔くんに見せる。
「.........。」
一通り目を通すと、何食わぬ顔でそのプリントを五指で触れサラサラと崩壊させる弔くん。
『......へ?』
「「ぶっ!!!」」
吹き出すミスターと荼毘。
「弔くんにも分からなかったのですねッ!」
ストレートに突っ込むトガちゃん。
「おい荼毘」
「んなモン、楽勝だろ。」
顎でクイッと荼毘を指す弔くんの意味を察して、もう一枚プリントを出して荼毘の前のカウンターに広げる。
「.........。」
そしてこちらも、ろくに目も通してないくせにずらっと並ぶ数式を見るや否や片手で出した蒼炎でジュッとプリントを焼いた。
「「ぶっ!!」」
吹き出すミスターと弔くん
『はぁ...』
「荼毘くんは短気なのですッ!」
「黙れイカれ女。そういうお前は分かンのか?」
「分かりませ〜ん」
ふんぞり返る弔くんと荼毘の姿に、いっその事こと清々しさすら感じた。
「こういうのは、おじさんに任せなさいっての。ちゃん、プリントまだある?」
私の隣に来たミスターが言う。香水だろうか、フワッと香る大人の匂いに惹きつけられる。
『ミスター、いい匂い......』
「え!そんな匂ってる.....?ちゃんそんなに近づかないでよ...おじさん照れちゃうから......ね?」