第17章 ヴィラン連合とおべんきょう※微
「ばーか。好きなモンは最後まで残しておくんだ」
あ......いちご好きだったんだ。なんか意外。
『じゃあさ、こうしようよ弔くん。私今日雄英ですんごい情報手に入れちゃったんだよね。』
「すんごい情報......」
カウンターの内側で黒霧が味わうように呟いた。
「ほぉ。じゃあ、そのすんごい情報とやらを先に言え。」
ニヤニヤしながらこちらを見る弔くん。
「意地悪してねぇで、レディにあげりゃいいのに」
「俺だったら内容が良かれ悪しかれ、食っちまう」
ミスターと荼毘が口々に言う。
『夏休みね、林間合宿やるんだって。偶然その場所を知ったの。.........どお??』
じっと弔くんを見る。何かを考えそのあとにフッと笑いながら弔くんが口を開いた。
「.........はなまるだ...」
『...!?.......あッ.....んぅ...』
弔くんが言い終わると同時に私の口に入れられた大きないちご。そのまま、弔くんのクリームの付いた親指も一緒に入ってきて無意識に親指を舐めてしまった。
甘い......美味しい...
「ハッ......えっろ...」
私の口から親指を抜き、今度は自分の口に含みチュッと吸う弔くん。
「ごちそーさん、おじさんドギマギしちゃった」
「見せつけやがって......うぜェ」
弔くんのその行為に恥ずかしくなるが、
黒霧、荼毘、ミスターにもそれを見られていたことが恥ずかしくて一気に顔が熱くなった。
「ちょうど、雄英のガキで勧誘したいやつが1人いるんだ。、その日は逐一スケジュールを報告しろ。そんで掻っ攫う」
林間合宿に参加する気の無かった私に参加するのが当たり前のように言ってくる弔くん
『え、やだよ?私、林間合宿なんて行きたくない。トガちゃんと夏満喫するんだから。それに、次の期末テストで赤点があった人は補習地獄だって。』
「私もちゃんと一緒に夏を満喫したいのですッ!」
自分の名前に反応したのか、ソファでトゥワイス達と話してたトガちゃんがこちらにパタパタとやって来た。
「じゃあ、赤点を取らなきゃいい話だろ」
淡々と言う弔くん。
簡単に言ってくれる......。ただでさえ座学はついていくので精一杯なのに。
でも私だって引き下がれない。