第17章 ヴィラン連合とおべんきょう※微
『ただいまー』
カランコロンとドアベルの心地の良い音を鳴らしドアを開ける。やはりここが一番落ち着く。
『あれ...』
一気に向けられる視線。
また知らない顔がぽつぽつとある。
このアジトは私が学校に行ってる間にどんどん人が増えていくな......
ラバースーツを着用し、顔も黒と灰色のマスクで覆われた人。
仮面を被り山吹色のトレンチコートを着たシルクハットを被った人。
緑色のトカゲのような姿をした男。
大きな磁石を持った、赤い長髪の大柄の人。
「、こっちに来い」
カウンターに座っている弔くんに手招きされて、弔くんのもとへ行く。
「です。」
私が学校行っている間に仲間が増え、こうやって弔くんに促されて挨拶する事があと何回あるんだろう、なんて考えながら私は自分の名前を口に出した。
「見てのとおり、には雄英の生徒として潜入してもらってる。まぁ、仲良くしてやってくれ。」
軽く自己紹介をしてから、各々が自分の時間を過ごし始めた。
カウンターに座ってる弔くんが美味しそうなショートケーキを食べてるのを見て、引き寄せられるよう弔くんの元へ寄った。
『弔くんだけいいなぁ。ケーキ!ずるい!』
ショートケーキをまじまじ見つめながら弔くんに言った。
「コンプレスが買ってきてくれたんだ。」
一口食べるか?なんて優しい言葉はなく黙々と食べる弔くん。
「ちゃん、ゴメンネ?死柄木に挨拶のつもりで買ったんだけどおじさん、連合にこーんな可愛い子がいると思わなくて......今度美味しいの買ってくるから許して?」
先ほどまで付けていた仮面がないと思ったら仮面の下には更に目出し帽を被っていたミスター。目出し帽をかぶっていても、目尻を下げあざとく笑っているのが分かる。
弔くんの左隣には、ミスター、荼毘の順で座りちびちびとお酒を飲んでいた。
『やったぁ!!ミスターありがとう!あ、でも弔くん、いちご残すならちょーだい?』
未だに手をつけられてない、上に乗っかった大きないちごを指差して弔くんに言う。