第16章 デクくんとおべんきょう
『それはオールマイトも一緒?』
「え......」
思ってもいなかったワードを出されて固まる緑谷。
が緑谷の横を通り過ぎ、教室を出た。緑谷も引き付けられるようにの後へ続く。
『オールマイトの個性もね、デクくんと同じで見えないの。個性があることは分かるんだけど、はっきりと見えない。だからデクくんと何か関係あるのかなって。』
は歩きながら淡々と話す。
「ごめん、それは僕には分からないや。」
『そっか。』
はっきり断言する緑谷にはもう何も言わなかった。
下駄箱に着いたところでが、あ、と声を漏らした。
「さん、どうしたの?」
今度はどんな質問だろうか、と緑谷は無意識に身構えてしまう。
『私、朝相澤先生に制服取りに来いって言われてたの忘れてた。だから先に帰っててデクくん!』
「そっか。じゃあ、僕は先に帰るね!」
『うん、お勉強教えてくれてありがとう。期末試験頑張ろうね!』
緑谷の前で笑う少女は先程までの妖艶さは無く、無邪気に笑うだけのがそこにはいた。