第16章 デクくんとおべんきょう
試験前であるため、これまでの復習だったり、各自で自習を、だとか分からないところがあれば訊きにくるように、とそれぞれの担当教師は言い、どの授業もあっさりしたものばかりだった。
放課後、筆記に自信のない生徒たちが、週末に八百万さんの家で勉強会を開くとかなんとかで話が盛り上がっていた。
「演習試験は、入試の時みたいな対ロボットの実戦演習みたいだよ!お昼、食堂でB組の拳藤さんから聞いたんだ。」
「んだよ!対ロボなら楽チンだぜ!」
「やったー!それなら、ロボット溶かして楽勝だ!」
教室で帰りの身支度をしながら、デクくんが上鳴くんと芦戸さんに話してるのが聞こえた。
また、ロボットか…。
結局脅しのようなものだったが、また除籍処分とかあるのだろうかと、浮かれる生徒たちを見ながら私は考えていた。
あ、そうだ...。
この際だし聞いてみるか。
教室を出かけたところで足をピタリと止める。
身体の向きを180度回転させ、再び教室の中へ向き、彼の元へ歩き出した。