第16章 デクくんとおべんきょう
「新しく頼んでおいたブレザーとワイシャツが届いた。時間がある時に職員室に取りに来い。」
感情のこもってないトーンでイレイザーヘッドが言った。
あ、そうだ。ブレザー破けてたんだっけ。
左肩の直線状に裂けた部分を撫でる。
『はーい』
「ちゃん、ブレザーどうかしたん?」
後ろの席の麗日さんがつんつんとつついて聞いてくる。
『ちょっと猫と戯れてたら引っ掻かれちゃって......』
「そうなんや、猫好きなんやね〜」
朗らかに笑う彼女を見て、こんな嘘も見抜けないとは、とヴィランながらヒーローを心配しそうにもなった。