第15章 破綻JKと礼儀知らず※
「わー!ちゃんの身体すごいねぇ!!」
『そんなことないよ』
ソファーに2人で座りトガちゃんにセーブの個性を見せてやると、目をキラキラさせながらものすごく褒めてくれた。
それにしてもトガちゃんにはパーソナルスペースというものはないのだろうか?
顔が近い......別に嫌というわけじゃないけど、可愛い女の子がこんな近くで話されたら、いくら女の私だってドキドキしちゃうよ......
笑った時にチラッと見える八重歯も可愛いな。
きっと男の人はもっとドキドキしちゃうんだろうなぁ
「おい、トガ。行くぞ。」
ふと、弔くんがトガちゃんに声をかけた。
「はーい!」
『どこ行くの?』
「連合を大きくするための、勧誘だ」
「勧誘!オトモダチ探し!なのですッ」
トガちゃんがくるくると回り、ステップを踏みながら弔くんの方へ近づく。
トガちゃんが言うと可愛く聞こえるなぁ。
『荼毘は行かないの?』
カウンターに弔くんと並んで座る荼毘を見た。
「俺は留守番だそうだ...」
「こいつは、すぐに相手を燃やしそうだからな。トガを連れてく」
「荼毘くんは短気なのですッ」
「黙れ、イカれ女」
荼毘を好き放題に罵る弔くんとトガちゃんに吹き出しそうになった。
今日が初対面だろうに...この2人の図太さよ...
でも、トガちゃんを連れて行くなら私でもイイじゃんと思い少し胸がチクリとした。
「お前は、明日も学校あんだろ......ゆっくり休め」
そんな私を察したのか、弔くんが頭に手をぽんぽんと置いて宥められた。
『んっ......』
「黒霧、トガ行くぞ」
「ちゃん、行ってくるのです!帰ってきたらまたオハナシしましょ!」
『うん!気をつけてね。』
黒霧のワープゲートの中に2人が入って行った。
私と荼毘の2人きりになり、さっきまで賑やかだったアジトも一気にしんと静まり返る。