第14章 残された証拠
午後の救助訓練の内容は、
点数の付けられたヴィランに見立てた、ロボットを倒しつつ、救助を待つ人を助けていくというものだった。
私ヴィランなんだけどなぁ、と思いながらも
ひたすらロボットを倒して点数を稼いでいく。
倒しながらこのロボット、どこから湧いてるんだろうとか、すごいお金かけてるんだろうな、なんて考えてたらいつの間にか時間切れになっていた。
「そこまでだ。」
イレイザーヘッドがそう言い、持っていたタブレットでデーターを見ていた。
「ハッ......112ポイント......爆豪抜くのかよ...」
弱々しく、ちいさく笑いながらイレイザーヘッドが呟いた。
笑ったのか笑わなかったのか判然としないほどの小さな変化だったが、私には笑ったように見えた。
爆豪?抜く?
『先生、どういう意味ですか?』
「あぁ、このロボットを倒すやつな。同じのを雄英の入試のテストで他の生徒もやってるわけなんだが.........1位通過した爆豪の点数をお前は越した..........しかもレスキューポイント0なのに、だ。」
そう。
私は救助訓練と言いながらも救助者を助けなかった。
そりゃ、0ポイントですよ。
だって私、ヴィランだし。