第14章 残された証拠
「あー......。ロボット退治に関しては褒めてやりたいところだが、お前は極端すぎるんだよ。せめて、救助者を探す素振りとかしてくれ。完全無視だったろ......」
頭を掻きながら複雑な表情を見せるイレイザーヘッド。
『ヴィランが来るより先に倒しちゃえば問題ないかなって』
「そういう問題じゃない。仮免取得の時に痛い目みるぞ」
『仮免?』
雄英来てから知らない言葉ばっか耳に入ってくるな...
「あぁ。いずれ皆にも説明するが、簡単に言うと緊急時に限りプロヒーローと同じ権限を行使することができる資格だ。そばに指導者やプロヒーローなどがいなくても己の判断で犯罪者の確保ができるわけだ」
ほぉ...。朝、黒霧が言ってたのはこの事か。
『ヒーローは大変ですね』
無意識に出た本音だった。
ヒーローも好き勝手やればいいのに。
「まるで他人事のような言い方だな」
ジッと私を見るその目が、その台詞が、イレイザーヘッドに何もかも見透かされているような気がして、目を逸らしてしまった。
『訓練、終わったなら先教室行きますね。』
私はイレイザーヘッドから向けられる視線の糸を振り払うようにして教室へその場を後にした。
着替えて教室に戻ると同じタイミングでイレイザーヘッドも教室に戻ってきた。
さっきの事怒られるんだろうか、身構えたがいつもと変わらない様子で翌日のスケジュールを伝えられその日の学校活動はそこで終わった。