第14章 残された証拠
「おはよう。」
教室のドアがガラッと開いて、イレイザーヘッドが入ってくる。
相変わらず猫背で、やる気のなさそうな雰囲気に思わず笑いそうになってしまった。
『おはようございます。』
やっぱ2人きりって嫌だなぁ。
早く職場体験終わらないかなぁ。
「おい、そのブレザーどうした?」
『ブレザー?』
ブレザーと言われるが何だかよく分かってない私に自分の左肩をトントンと叩くイレイザーヘッド。
『...!!』
昨日ヒーロー殺しとやり合った時に刀を刺された時のやつだ......
うまく刀を吸収して、怪我はしなかったものの、ブレザーとワイシャツには数センチだがしっかり裂けていた。
チッ......めんどくさいな。なんて言い訳しようか。
『.........あぁ...これ昨日猫に引っかかれたんですよね...猫に...。』
我ながら苦しい言い訳だなと思った。
そんなことがあるか、と。
「そうか。新調しといてやる。」
......そんなことがあるのか。
『...ありがとうございます。』
なんだ。通用するのか...。
「今日は午前中は座学、午後は昨日言った通り救助訓練を行ってもらう。」
『はーい』
「伸ばすな、はい、だ。」
『はい。』
イレイザーヘッドの言った通り午前中は
ただの授業だった。小学校、中学校に行ってない私にはその授業というものがとても新鮮に感じた。が、やはり高校の勉強は難しい。
黒霧に勉強教わってなかったら私終わってたんじゃないか?
とも思った。