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【ヒロアカ】白は黒になるが黒は白にはならない

第13章 ヒーロー殺し



ヒーロー殺しが捕まったことを弔くんに報告しなきゃと、踵を返そうとしたところで、視界の右端から翼の生えた脳無ちゃんが血を流しながらヒーロー達が集まる方へ飛んでいくのが見えた。

『脳無ちゃん!?待って!!その怪我じゃ!!』

意思疎通できるはずない脳無ちゃんに私は声を上げていた。

私の横を通り過ぎてそのまま一直線に、ヒーロー達の元へいきデクくんを足で鷲掴みにしてあっという間に上空へ飛んでいく。

デクくんを人質に取る気?
それにしてもあの脳無ちゃんの傷じゃ......
脳無ちゃんに加勢しなくてはと思い、脳無ちゃんを追いかける。

そう思ったのも束の間、気づいた時にはビルの上にいた私よりも上にヒーロー殺しがいた。

『は.........!?』

拘束を振り解き、どこかに付着したであろう脳無ちゃんの血を摂取し動かなくなった脳無ちゃんをそのまま空中で仕留めたのだ。

なんで?どうして?
ヒーロー殺しがデク君を助けた?

私は下でやられてしまった脳無ちゃんを横目に見ながら、弔くんたちの元へ急いだ。



『弔くん.........』

弔くんは、傷が出来るんじゃないかと心配になるくらいに首を掻きむしっていた。

その様子からして、弔くんたちも脳無ちゃんがヒーロー殺しにやられるところを見ていたんだろう。

「おいおいおい、ふざけんじゃないよ...なに殺されてるあの脳無...何であのガキがいる...言いたい事が追いつかないぜ......めちゃくちゃだ!」

ガキ...とはデク君のことだろうか。
USJ襲撃時も散々デク君に邪魔されたからなぁ。

『弔くん、掻いちゃダメ。......ごめん、私近くにいたのに脳無ちゃん助けられなくて......』

「いや、いい...。あんな数のヒーロー相手にしたら、お前だってどうなってたか。......今日は帰ろ」

持っていた双眼鏡を五指で崩壊し粉々にさせる弔くん。

「満足いく結果は得られましたか?死柄木弔」

「ばーか、そりゃ明日次第だ。」


『あ......』

黒霧のワープゲートを後ろに倒れるようにして入ってく途中、上空に見えたヘリコプターの中からカメラを向ける男がいた。

私たちがその写真を見ることになるのは、そう遠くない日だった。
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