第13章 ヒーロー殺し
そういえば、とクツクツ笑う死柄木を無視して学校の更衣室からそのまま身体にしまったままだった、コスチュームを思い出す。
『黒霧がこの前言ってたヒーローコスチュームだよ』
身体から取り出して黒霧と死柄木に見せる。
「それ持ち帰っていいやつなのか?」
『さあ?でも、今制服でいるのはまずいと思うから、こっちに着替えるね。黒霧、隠せる?』
「黒霧を便利道具にするな」
は自分の周囲を黒霧のワープゲートで囲ってもらい中で着替えた。
『じゃーん!ちょっとキツイんだけど似合う?』
その場でくるりと周り仁王立ちする。
初めてののキャットスーツ姿に息をのむ2人。
「ハッ...スパイっぽくていいんじゃねえか...。.........その格好じゃあ、イレイザーも発情するわけだ。」
「発情...」
発情という言葉を鸚鵡返しする黒霧と、不敵な笑みで舐め回すように見ている死柄木。
『発情じゃないし......』
口を尖らせ、再びビルの淵に座る
「俺はヒーロー殺しみたいな、回りくどいやり方は嫌いだ。黒霧、脳無だせ」
黒霧のワープゲートから出てきた3体の脳無。
『お!久々の脳無ちゃん、今度はちゃんと帰ってきてね』
USJ襲撃以来の脳無に目を輝かせながらペタペタと触る。USJ襲撃の時と同じ黒い脳無と、白い脳無が2体。1体には翼が生えていた。
「いけ、脳無。ヒーロー殺し諸共ぶっ潰し、壊してこい」
死柄木の指示で3体の脳無は散り散りにその場を走り去って行った。
意志を持たずに、命令をそのまま遂行するだけの脳無は死柄木の命令通り1体は列車へ突撃し1体はビルへ、1体は地上へと降り文字通りただただ、ぶっ潰し壊していった。
「フハハハッ!!やっぱいいねぇ......脳無。派手にいこ」
死柄木はその様子を高笑いしながら傍観していた。
「お2人は参戦なさらないのですか?」
その横に立つ黒霧が死柄木とに訊く
「バカか、俺は怪我してんだ。だから脳無たちを持ってきたんだ」
肩の怪我を指しため息混じりに死柄木が答えた
『私もパース。今日はもうイレイザーヘッドともやり合ったので疲れたー。』
3人の目の前の景色はものの5分も経たずに、火の海と化していた。