第13章 ヒーロー殺し
「男か...?」
『......っ!!』
一瞬目を見開き、何か心当たりがあるような顔をする。
当たりか......
「おいおい、図星かよちゃん、男の匂いが移るくらい密接な距離で2人で何やってたんだろうなァ?」
ヒーローの育成の場で何やってんだよ...
『ち...ちがうって...弔くん......!本当に実技テストで......イレイザーヘッドだったんだけど.........それで、私が馬乗りになったくらい......しかも他の生徒は1週間職場体験だから今日はほとんどイレイザーヘッドと2人だったの!』
努力して落ち着こうとしているのが分かる声だった。
そして、早口で喋るこいつがまだ何かを隠している事も分かった。
何を隠してる?
「しかも、イレイザーかよ......」
『うん......。あ、オールマイトはクラス持ってないんだって。それと私イレイザーヘッドのクラスだったよ。USJ襲撃の時にいたクラス。』
「じゃあ、こいつもいたか。」
あからさまに話をそらされた事に腹が立ち
持っていた写真を半ば投げ捨てるようにして、見せた。
『あ、デクくん。この子の個性不思議なんだよね。見えないの。先生にさっき聞きたかったんだけど、弔くんが怒らせるからー!』
「へぇ」
また男の名前かよ……と、自分で話を振っておきながら思った。
「死柄木弔、そろそろ保須へ。」
『私たち行く必要ある?』
「ばーか、ヒーロー殺しの終焉を見に行ってやるんだよ」
そう言い俺たちはワープゲートを潜った。