第2章 捨てましょう、自己嫌悪感なんて ※微
『私もあの子みたいに無個性だったら良かったのかな...』
「そんな事はありませんよ」
ボソッと呟いた自分の声に後ろから返事が返ってきた事にビックリして慌ててブランコから降りて振り返る。
『あ!黒霧!早かったね!』
喜びを顔にみなぎらせながらパァッと笑顔になる。
『買い物はもう終わったの?』
「えぇ。お待たせしてすみません。...ただ私とした事が...少し買いすぎたようで......」
わざとらしく、何かを訴えるようにして金色の瞳でを見つめる黒霧。
『黒霧......あのね...私の個性......知ってると思うけど......』
ぽつりぽつりと話すに黙って聞く黒霧。
『私ならそれ......全部しまえる...からっ......私にもお手伝い...させてっ......?』
「ではお願い、してもよろしいですか?」
と目線が合うように少し屈んで、優しい口調で言う。
『任せて黒霧!!』
早く早く!と言いながら再び笑顔を見せたは黒霧が抱えていた荷物を奪うように手に取り、見ててね?と言うとの手に触れた物たちがあっという間に彼女の身体の中へ消えていく。
初めて彼女の個性を目の当たりにしていた黒霧は驚きのあまり言葉を失っていた。
『黒霧...?』
容姿端麗なの顔からは想像もつかないくらいの不安な表情で黒霧を見上げていた。
「はっ......申し訳ありません。初めての個性を見たもので...。素晴らしい個性じゃないですか。」
助かります、と言いながらの頭を優しく撫でてやる黒霧。
『んっ......黒霧は嫌いにならない?私が個性使っても』
「もちろんですよ。、あまり自分に悲観的にならないで下さい。あなたは強い。オールフォーワン、いや、先生もそう言ってたでしょう?」
『うん...私初めて誰かの前で個性使って褒められた......』
「嫌いになりませんよ。死柄木弔だってあなたの事を嫌いになりません。」
『ありがとう黒霧!じゃあ、もっと見せてあげるね!』
は嬉しそうにそう言うと、着ていたワンピースの裾を勢いよく上にたくしあげた。