第2章 捨てましょう、自己嫌悪感なんて ※微
お店に入るとまず、目に見えたのは色とりどりの果物が並んでいた。
『わぁ〜!!黒霧見て!美味しそうな果物がいっぱいあるよ!』
つい楽しくなってしまった私は、声を上げその場で飛び跳ねてしまう。
「これこれ、お静かに。落ち着いて。」
『黒霧、この緑色のぶどうが食べたいなぁ』
「それは、マスカットですね。いいでしょう、死柄木弔と2人で仲良く、食べるんですよ。」
『やったぁ〜!!』
「それじゃあ、次は野菜と卵のコーナーに行きましょうか。」
そして、必要なものを全て買い終えお店を出た。
『黒霧、楽しかったね。』
「それは、良かったです。、疲れてないですか?帰り道ならワープゲートを出せますが。」
荷物を抱えた黒霧が手に黒いモヤをチラつかせながら言う。
黒霧荷物重そう......
私が個性使えばこんな荷物......でも...
『ううん...大丈夫。私ね今までお外に出ることあんまりなかったから、もうちょっとお外を楽しみたいな』
「そうですか。ではこのまま歩いて帰りましょうか。」
『うん...!ありがとう、黒霧。』
そう答えると、黒霧はいえいえ、とだけ答えた。
しばらく歩くと大きな公園があった。中には自分と同い年くらいの子供たちが何人か遊んでいた。
『黒霧...公園があるよ。少しあそびたいな。』
「えぇ。...あ、申し訳ありません。、買い忘れてしまったものがあるので私はお店へ戻ります。すぐに戻るのでここで待っててもらってもいいですか?」
『うん、わかった!ここで待ってるね。』
何かを思い出したように黒霧は来た道を戻っていった。
私はブランコに乗り揺られながら、周りで遊んでいた子たちを見ていた。ベンチでゲームをしている男の子たち。砂場でお山を作っている女の子たち。ボール遊びをしている男の子たち。
『色んな人がいるんだなぁ...』
「おい、デク!!お前はほんとなんもできねぇのなぁ!だからでくのぼうなんだよ!フハハハハ!!」
「やめてよぉ...かっちゃん...」
ボール遊びをしていた金髪の男の子と緑色の髪の毛の男の子のやりとりをぼんやりと見つめながら、私は無意識に個性、スパイアイを駆使していた。
あの子、私と同い年くらいなのにまだ無個性なんだ...