第13章 ヒーロー殺し
『で、なんでその悪党の大先輩が弔くんと黒霧を襲ったの?』
「オールマイトを殺したいから仲間に入れと言ったらいきなり襲ってきた。」
弔くんがヒーロー殺しを指差して言った。
「違う、信念なき殺意になにがある?オールマイトは真のヒーローだ。他の偽物ヒーローが蔓延るこの社会も、お前らみたいな、いたずらに力を振りまく犯罪者も、粛清対象だと思ったからだ。」
ヒーロー殺しも弔くんを睨みつけながら言った。
「信念?んな仰々しいもん無いね......強いて言うならオールマイトだ。あんなゴミが祭り上げられているこの社会をぶっ潰したいとは思ってるよ...」
「ほぉ......。それがお前か。そうか。なら、お前らと俺の目的は対極にあるようだ。目的は違えど、今を壊す、この一点において俺たちは共通している。」
ヒーロー殺しが先ほどとは打って変わって関心したように弔くんを見た。
なんなんだ、この男。
さっきから言ってる事がめちゃくちゃすぎる......
「ざけんな。帰れ。死ね。」
『弔くん、この男とは反りが合わないと思う。』
「同感だ。黒霧、こんなイカれたやつがパーティーメンバーだなんて俺も嫌だね。」
「死柄木弔、、彼が加われば大きな戦力になります。意見は合致、交渉は成立しました。」
やっと動けるようになった黒霧も上体を起こしながら言う。
「何でもいいが、俺をさっさと保須へ飛ばせ。」
猫のようなザラザラな舌で舌なめずりをしながら男は黒霧の出したワープゲートの中へ消えて行った。