第3章 変わらないもの(七海夢)※
合コンから抜け出して、みんなの居る居酒屋に行って、七海とお喋りをした。
思い出せない…
「起きましたか?」
「…っ?!?!なっ、なっ、なっ…!!
七海っ?!!」
「?、そうですが」
「えっ!待って!!此処って…!?」
「私の家です」
周囲をよく見渡せば、此処はラブホテルではなかった。
「〜〜〜っ!」
バッと布団を捲り自分の身なりを確認する。
まっ、まさか!七海と…っ
「いや、何もしてませんから」
酔っ払いに手を出す訳ないてしょう、と呆れている。私の行動で七海は察してしまったようだ。
「わ、私っ!何も覚えてなくて…っ!!」
「本当に、何も覚えてないんですか?」
「え、えっと……」
七海の綺麗な眼差しでジッとみつめられる。
眼鏡を外して、スーツじゃない私服の、オフ日って感じの七海だ。
か、かっこよすぎる…!
…じゃ、なくて!!
えーと、えーと。他愛のない会話を沢山した気がする。そしたらそう!具合悪くなってきちゃって……
――――――
―――
『先帰って……う"っ』
高専を出ようと歩き出したものの、酔が回って動けなくなってしまった。
『置いて帰る訳にはいかないでしょう』
『いや!本当に大丈夫!
これでも毎日体張って呪霊払ってるし?
その辺の不審者なんかに負けないから!』
『…はあ』
溜息をつかれた…!
情けなさと申し訳無さでいっぱいになるも、気丈なフリをするので精一杯だ。
七海はどんな顔をしてるんだろう。
きっと呆れ返っているに違いない。怖くて顔が見れない。というか、酔で気持ち悪すぎて顔を上げることすら出来ない。
『お願い…先に行って…う"』
色んな事があって疲れていたし、気持ちが昂っていたから勘違いかと思ったが、違う。このぐるぐると回る感覚と吐き気は、間違いなく酒の飲み過ぎだ…っ
『ほんと…お願い、行って』
これ以上醜態を晒すわけにはいかない。
ましてや吐いてるところなんか絶対に見せたくない。気持ち悪すぎて、意識も朦朧とする。
『貴女って人は……』
『ななみ"?』
七海が私の顎をクイッと持ち上げる。
えっ、なっ、なっ…?!突然の七海の行動に動揺が隠せなかった。