第2章 ナオトと言う常連客
『話は聞いてるよ。取材に来た、
ルポライターなんでしょ?
企業の面接じゃないんだから…、楽にして?
もしかしても、もしかしなくても。
このお店が…と言うより、こう言う類の
お店…その物が…初めてだよね?』
「すいません…、世間知らずと言いますか
お恥ずかしながら…その通り…でして…」
『だったら、…ここが
…女の子が楽しく安全に
遊べる場所だって、
知って帰って貰わないとだね。
どんな事でも…一番初めが肝心でしょ?』
こんなお店…のお客さんだから、
最初から下ネタ全開トークと言う事も無くて。
顔はマスカレイドマスクで見えないが…、
声の感じからして…20代後半って感じかな。
背…も高そうだし…、雰囲気がイケメンだ…。
こんなお店なんかに来なくても、
ナオトさんは
出会いにも女性にも
不自由して無さそうだけど…。
「でも…こう…、未知の領域すぎて
右も左もわからないと言いますか。
何を、どうしたらいいのか…分からなくて…」
『今日は…初めてなんだし。
どんな場所なのかなって、
雰囲気を見に来たって思えば良いよ。
こう言う所に来たからって、
しないとダメって
そんな事も無いし、お酒飲んで話して
帰るだけでも良いと思うけどね?所で…』
ナオトさんの視線が、自分のブルーの
チャイナドレスに向けられているのに気が付いた。