第2章 ナオトと言う常連客
ロッカールームを出ると、
そのままスタッフの人に
バーカウンターまで案内された。
まだ、オープンして間もない店内は
そんなに人の姿もなく。
バーカウンターの周りも空席だらけだ。
小さいながらに本格的なバーカウンターには
バーテンダーの姿があって、既に
1人のマスカレイドマスクを付けた男性客が。
バーテンダーと話をしながら1杯お酒を飲んでいて。
お店のスタッフの人に、その男性客は
このマスカレイドナイトの常連客の一人で
”ナオト”と言う名前のお客さんだと紹介されて。
後は、このナオトさんから
ハプニングバーの手解きを受ける様にと
ナオトさんに…、私は託されてしまった。
『とりあえず…、隣…座ったら?
何か…飲む?ねぇ、彼女にも
一杯、何か作ってあげてよ』
カウンター席の前で、突っ立っていたら
そうナオトさんに声を掛けられてしまって。
何を飲むかも…頼んでないのに、
バーテンダーの人が適当に作ってくれた
チャイナブルーが出て来て。
恐らくは…私が、
ブルーのチャイナドレスだから。
この今着てるチャイナドレスに合わせて、
チャイナブルーが出て来たんだろうけど。
クスクスと…ナオトさんが笑って居て。
自分がずっと立ったままだと気が付いて、
慌てて、ナオトの座って居る隣に
失礼しますと言って腰を降ろした。