第4章 プレイルーム
と…は…言え…、だ。
ここは…、
そうする為の個室とは言えども。
微妙な距離感を取って、
座ってしまった手前。
私は…今のこの位置から、
ナオトさんの方に
近付く事も出来なくて。
完全に”待ち”の
体勢になってしまって居るのだが。
『もうちょっと…、傍に行っても良い?』
そう問いかけられてしまって、
その問いに朱莉が
首を縦に振って同意すると。
身体1つ分の距離を、ナオトが詰めて来て。
彼との距離は縮まるものの、
それでも…、まだ…身体と身体の間には
拳1つ2つ分位の距離がある…。
『もしかして、だけど。
緊張してる…の?』
「はい…、その…以前に
お付き合いをしていた男性と
別れて以来…、していないので…。
その…ッ、えっちなこと…その物が
…久しぶり…過ぎて…ッ」
『そうなの…?勿体ない…。
あんなに…敏感で、
感じ易い身体をしてるのに。
愛でて…可愛がってくれる…
相手が居なかったの?そうだなぁ…、
じゃあ…、ゆっくり…しようか?
嫌だなって思ったら、
僕の肩を叩いて、止めてくれたらいいよ』
ハプニングバーでの…行為には、
同意が重要だって…言ってたけど…。
ここまで…丁寧に1つ1つの事に
意思を確認して貰って。
私の中の3ヶ月の…
空白の時間を埋める様に…、
ゆっくり…じっくりと…
私の身体にその手が触れて来る。
ああ、そうだ。
この感じ…、
セックスって…こうだったなって。
忘れていた…感覚を…思い出して行って。
時計の針が…、巻き戻って行く様に…
自分の身体を愛されて、
彼に開かれて行くのを…思い出す。
『教えてくれる…?
貴女の…良い所…とか…、
どこを…どうされたいのか…とか…。
僕に…遠慮なんてしなくて良いから、
して欲しい事とか、…希望とか…
どうせ、一夜限りの相手なんだし。
僕に気を遣わずに、
言って貰いたいんだけどね?』