第9章 蚊帳の外※
side 伏黒甚爾
「ん…」
カーテンから漏れる太陽の光を瞼の裏に感じて目を開ける。
目の前にはオレにぴったりとくっついて穏やかな顔で眠る、昨日17歳を迎えたばかりの繭。
ゆうべも散々その柔い体を満足いくまで食い尽くしたって言うのに、コイツがあんまりにもエロくて可愛いことを言うからついつい意識がなくなるまでオカワリしちまった。
いつもは繭の方が早く起きて朝からぱたぱたと動き回っているが、いじめられすぎた翌日に限り、オレの方が繭より早く目が覚める。
オレの腕を枕にして胸元に顔を埋める繭。
今まで夜を過ごしたオンナに思ったことは一度もないが、こうやって朝の光を感じながら自分の腕の中で安心しきった顔で眠る繭の顔は何時間でも見ていられる。
顔にかかる髪をよけてやるとオレの手のひらに擦り寄る繭。
その首元には昨日やったプレゼントのネックレスがきらきらと輝いている。
あからさまな支配欲と独占欲に自分でも笑っちまう。
コイツは自分のものだと主張するための首輪。
だって仕方ないだろ?
コイツは無自覚でオトコを引き寄せる。
五条悟も実の兄でさえも…。
コイツの兄は、オレが殺した。
繭は兄を庇っていたが、コイツの信頼を利用して犯そうとしたのが許せなかった。
未だに繭を連れ戻すために差し向けられる追手に対するアピールでもあった、コイツに手を出すなと。
繭は何も知らない。
自動車事故に見せかけたが、どうしてもオレ自身の手で直接殺してやりたくて。
「残念だったなオニーサマ。
オマエが欲しくて欲しくて堪らなかったかわいい繭は、もうオレが喰っちまった…
最高にエロくて美味かったよ」
アイツの最期の絶望した顔は今でも忘れられない。