第9章 蚊帳の外※
「…言いたくねえの?」
「いえ…なんて言ったらいいのか…確かに悟のことは好きでした…でも、甚爾さんの好きとは違う好きだったっていうか…」
「どう違うんだよ」
「んー…悟の好きは一緒にいると楽しくて居心地がいい感じ…?」
「…ふーん。オレは?」
「甚爾さんは…一緒にいてドキドキします。楽しいのも悲しいのも他の人より2倍になるし、あと…甚爾さんの声とか匂いとか感じると…なんか頭と体がほわぁ…ってなっちゃいます…」
「………。」
私の発言に片手で顔を抑えて天を仰ぐ甚爾さん。
わたし…何か変なこと言ったかな…。
「繭…オマエわかっててやってんのか?」
「え?」
「オマエが煽ったんだからな。責任取れよ?」
「ええ??」
ぴったりくっついていた体をころんとベッドの上に転がされて、数分前までと同じ甚爾さんに見下ろされる体勢になる。
「抱き潰されても文句言うなよ…
誕生日おめでとう繭」